2023/04/04 お知らせ
葬儀費用と相続放棄
被相続人に多額の負債がある場合や、負債額が不明な場合には、相続人としては、相続放棄をすることを検討することとなります。
ただし、相続人の財産を処分した場合には、法定単純承認事由(民法921条)に該当する可能性があります。法定単純承認事由に該当すると、被相続人の権利義務を承継することとなり(民法920条)、負債の弁済義務を負うこととなります。
では、相続人の財産から葬儀費用を支出してしまった場合には、法定単純承認事由に該当するとして、相続放棄をすることができなくなってしまうのでしょうか。
相続財産から被相続人の葬儀費用を支出することについては、過去の裁判例などを踏まえると、被相続人の生前の社会的地位に応じた葬儀費用については許容されるものと考えられています。
相続放棄を検討しているが、既に葬儀費用などを相続財産から支出してしまっている場合にも、相続放棄をすることができる可能性は十分にありますので、まずは弁護士にご相談ください。